
私とカナダ人彼氏のドムは
2020年11月から2021年7月まで
ミートファクトリーで働いていました。



正直大変だったけど
ファームジョブよりはマシだったよね。



ドムは特にシェフだからナイフの使い方上手だったもんね。
各ポジションから引っ張りだこだったもんね。



そうかな?
でも元々キッチンの仕事をしていた人には絶対ファームよりファクトリーをおすすめするね。
オーストラリアのワーキングホリデーでは、ある条件を満たすことができれば2年・3年とワーキングホリデーを延長することができるんです。
みなさんがよく聞くのはファームジョブですが、ファクトリーやアニマル、鉱山、田舎のレストランやカフェジョブなんかも対象になるんです。
\詳しくはこちらを参照/
https://immi.homeaffairs.gov.au/what-we-do/whm-program/specified-work-conditions/specified-work-417
私たちはコロナで帰国できなくなり、仕方がなくファームジョブをしたのちにミートファクトリーの仕事をすることにしました。
今回はミートファクトリーでの経験談をみなさんにお伝えしようと思います。
・どこのミートファクトリーで働いていたの?
・ミートファクトリーってどんなお仕事があるの?
・お給料はどのくらいもらえるの?
・ファームジョブとどっちが良かった?
・仕事はどのようにしてゲットしたの?
・どんなことが良かった?キツかった?
Nolan Meatsというビーフファクトリーで働いていました
私たちが働いていたのはNolan Meatsというビーフ(牛肉)のファクトリーになります。
場所はQLD州のGympieというブリスベンから3時間ほど北上した小さい街。
小さな街なので土日にショッピングセンターに行けば、必ず同僚に会います。
このファクトリーはGympieのIconic(象徴)として愛されており、街で知らない人はいないほど。
最近(2022年)ワーキングホリデーで来ているバックパッカー用にシェアハウスを購入したとのこと。



友達がまだ働いていて、工場から歩いて10分くらいのところに
シェアハウスができたって言ってたよ。
買い物はハウスメイトに頼めばOKだし、最近はColesなどのデリバリーも活用できちゃいます。
不便かもしれませんが、車がなくても働くことができます。
\こちらがHP/
\こちらがNolan Meatsの地図/
ミートファクトリーってどんなお仕事があるの?


ワーキングホリデーの人ができるお仕事では
・Kill Floor(屠殺)
・Boning Team(スライサー、袋詰め、パッキングなど)
・Offal Room(牛の内臓の仕分け)
・Cleaning Team(掃除)
他にも調教師、ハラールチーム(イスラム教の人たち)、技術職、事務職、倉庫管理などがありますが、ワーキングホリデーの人たちは基本的に上記にあげた4つの仕事につく場合が多いです。
私たちはBoning TeamとCleaning Teamの二つを経験したので、それについて詳しく書きます。
Boning Team
この部署はKill Floor(屠殺場)から送られてきた肉を、細かく部位に分けて切り、パック詰めをし出荷するまでになります。
・Boner
・Slicer
・Baggingをする人
・Packingをする人
に分けられます。
もしSlicer,Bagging,Packingの3つができるのであれば、好きな場所を選ぶことができます。
(例:朝8時はスライス、朝11時からPacking、夕方4時からBagging)
Boner
Kill Floor(屠殺場)から送られてきた大きい塊の肉を切る仕事です。骨がついているものはチェーンソーで切ります。
頭上にレールがありそこに肉がぶら下がっています。そのぶら下がった肉を切り分けていくので、かなり難しい仕事になります。
そのためSlicerになってから半年後位から練習をしていきます。
時給も高く日勤で$40程度もらうことができます。
Slicer



私がずっとやっていたのはこのポジション!
スライスはすごく楽しかったよ!
Bonerが切り分けた肉をさらに綺麗に切り分ける仕事になります。
お肉屋さんやスーパーマーケットに卸すため、ナイフで脂肪や筋膜を切り落としたり綺麗な形に整えたりします。
肉の部位は20種類程度あるため、その切り方を全て覚える必要があります。
なので先にBagging(袋詰め)で肉の種類と形を覚えてから、スライスの練習に入ります。
時給はできる仕事によりますが$30前後でした。
Bagging(袋詰め)をする人


Boning Teamに所属されるとまずはこのエリアから開始します。
ただ袋に肉を詰めればいいわけではなく、肉の部位によって袋が変わったり袋に入れる個数が変わります。
肉の部位によっては似たようなものもあるため、しっかりと見分けられる必要があります。
時給は最低賃金スタート($27程度)となります。
Packing(箱詰め)をする人
Packingは決められた種類の肉を箱に入れる仕事です。ベルトコンベアーに袋詰めされた肉が回ってくるので、数十種類の中から的確に同じ種類の肉をピックし箱詰めしていきます。
肉によっては重さを計らなければならなかったり、入れ方を覚える必要があります。
他にも骨付き肉を箱詰めする時もあります。例えば3Ribsと4Ribs、8Ribsで分けたり骨だけを分けるなど覚える必要があります。
時給は最低賃金スタート($27程度)となります。
お肉の種類について


働き始めたら、まず上記の図にある肉の名前と形を覚えることからスタートします。
肉は結構重たく、平気で8時間という長い時間10kgの肉を袋に詰めたりもしなければなりません。
腱鞘炎になる方も結構います。



私は肉の名前と形を覚えるのに
3週間くらいかかりました。
最初は結構怒られましたね泣
他のファクトリーでは、Baggingだけなんてところもある!
Nolan Meatsでは、Bagging/PackingができたらSliceの練習、SliceができたらBonerになるというように徐々にレベルアップしていき時給が上がる仕組みになっています。
※ただしやる気があって、教えてもらいたいと毎日言わなければならない体育会系
しかし他のファクトリーでは、ワーキングホリデーの人はPacking担当、Sliceのこの種類だけ担当というように担当制の場所もあります。



友人はSAのPort Wakefieldにある
ポークファクトリーで働いていたけど
3ヶ月間パッキングだけだったんだってー
Cleaning Team
CleaningはKill Floor、Boning Areaの仕事が終わってから開始となるので夜勤のお仕事となります。
仕事内容は、血や肉のついた機械・床などをスポンジで擦ったりホットホースで汚れを落としていきます。
ホットホースはとにかく熱いので、専用のグローブを買って使用します。
何時間もホットホースを握っているので、腱鞘炎になる人もいます。
特にBleeding Areaという牛の喉を切る場所は、膝くらいまで血の海となっており血塗れになりながら掃除をします。



私はクリーニングの際に使う洗剤で肌が荒れてしまったため、
Boning Teamに移動をしました。
血や死んだ牛を見るのは特になんとも思わなかったです。
むしろ屠殺される前の牛たちが鳴いている姿の方がウルッときていました。



僕は初めてKill Floorに入った時ゾッとしたよ。
血は1週間くらいで慣れるけど、できれば見たくないよね。
Boning Teamに移ってからは血を見ることはほとんどなかったよ。
お給料はレベルが上がるにつれて徐々に増えていく!


これが2020年度の給料の一覧になります。
今はオーストラリアの最低賃金が上がっているため、もう少し給料は増えていると思います。
ワーキングホリデーの人は主にカジュアル採用となりますので一番右を参考にしてください。
土日休みの週5、8時時間以上働いて週$1600(Tax含む)くらいでした。
(コロナの時期は中国への輸出ができず、週4だった時もあり)



僕は半年以上働いていて
レベル6だったから時給$35以上だったよ。
週40時間以上働くと手当も付くし、夜10時以降まで残っていたらもっと手当がつくしね。
フルタイム・パートタイムとカジュアルって何が違うの?
フルタイムは日本でいう正社員のようなものです。病欠や有給休暇を使うことができます。パートタイムはアルバイトのようなものです。
一方でカジュアルは有給休暇はありませんが、その分パートタイムの給料の25%が上乗せされています。
長く働きたいなと思っている人はフルタイムを選ぶと、1ヶ月ほどホリデーをもらえるなどの利点があります。
給料交渉をしよう!
この表を見て「レベルってなんだ?」と思われた方。
レベルとは「各個人のスキルによって段階付けされており、レベルが上がるにつれて給料も上がる仕組み」なんです。
Nolan Meatsでは毎月リーダーと評価をする時間が設けられており、そこでできることが増えていればレベルが上がり給料も上がります。
例えば、Baggingができるようになり、Sliceも半分できるようになったとします。
そうなるとSliceの練習をしている時点でポイントが上がり、レベル1から2になります。
というように、自己評価とリーダーの評価によって時給が変わってくるのです。
他の仕事でもそうですが「何ができるようになったらレベルが上がるの?」と聞いてみてください。
オーストラリアでは給料交渉が当たり前の世界です。スキルがある人は給料をもっともらっていいんですよ。



Nolanで働いていた時は、スライスが全部できるようになって
毎月の評価を待たずに「私できるようになったからレベル上げて!」
と言いました。今の職場でもマネージャーに直接交渉しました。
ファームよりファクトリーの方が好き!


私たちカップルは断然ファクトリー派です。
なぜなら
・天候に左右されず、安定した給料がもらえるから
・キツさは変わらないけど、歩合のように必死こいて頑張る必要がない
・ファームジョブは暑い。ファクトリーは寒いけど、仕事をしていると寒いのがちょうど良くなってくる
・ナイフの研ぎ方・スライスの仕方が学べる
・オーストラリア人に囲まれた環境
・制服が支給される
・トイレ、ケトル、電子レンジ(場所によっては牛乳・コーヒーなど)、売店などあり
・福利厚生がある(クリスマスやイースターでは金券、毎月ハンバーガーと飲み物が出る)
Nolan Meatsでは約8割の人が地元のオーストラリア人または高校生で、その他2割がワーキングホリデーやスポンサーなど違うビザで働いている人になります。
仕事中はFワード炸裂だし、田舎のオーストラリア人の英語全然わからないしで嫌なところもありましたが、オーストラリア人と仕事をしたい話したいという人にとってはいい職場だったと思います。
福利厚生も良かったですね。ファクトリージョブでは「クリスマスやイースターなどのホリデーに金券や食べ物をもらえる」というところが多いです。
Nolan Meatsでも$100の地元で買い物ができるカードを頂きました。お正月はビールも出ましたね。
ファクトリージョブでは「ピアスNG」
食品・製造加工の工場は全てピアスなどの貴金属類はNGになります。
商品に異物が混入すると大変だからです。
カナダ人彼氏のドムは鼻ピをしていましたが、常時外すことになってしまったのでピアスの穴が塞がってしまい再度やり直しをしました。
仕事はFacebookでゲット!
たまたまFacebookの日本コミュニティーに、やたら長くミートファクトリーについて投稿している人がおり、その人から紹介をしてもらいました。(今では私たちカップルの一番の友達)
他にもバイロンベイ付近、マッカイ、マリーバなどにあるファクトリーも視野に入れていましたが、その人の熱意に負けてそこにしました。
ちなみに応募方法はHPのcareerから応募し面接をします。
\Nolan MeatsのHPはこちら/



詳しい内容が知りたかったら
工場にまだたくさん知り合いがいるので紹介しますよ。
面接後は研修とQfeverが必要!
ミートファクトリーで働くにはQfeverという注射が必須となります。先にQfeverが打てるか検査をし、その後注射をします。
基本的にはどのファクトリーも無料で行っています。
その注射は女性器に問題が出るという噂がありますが、どうしても予防接種などでは副作用が出る方もいます(極めて低い確率)
研修は2週間あり、衛生管理やナイフの使い方など様々なことを座学で学びます。
まとめ:どんなことがキツかった?
私たちカップルはNolan Meatsという場所でCleaner,Slicerとして働いていました。
両方の仕事ともにCleanerは何時間もホースを持つこと、Slicerは何時間もナイフを持つことが私としてはキツかったです。
高校生たちにからかわれたり、Fワードを三唱させられるなど屈辱的なこともありました。
ミートファクトリーで働くことは結構ハードです。
ですが、安定して給料が入るのでファームの時の焦りとは違い余裕のある生活ができていました。
他にも金曜日に駐車場でビールを飲んだり、他部署の人とお話をしたりと人には恵まれていたんじゃないかと思います。
女の子にとってはミートファクトリーは大変かもしれませんが、探せば卵ファクトリーやマッシュルーム、ベーコン、サラダファクトリーなどもう少し簡単なお仕事があります。
オーストラリアと言ったらファームジョブ!と思うかもしれませんが、ファクトリーも視野に入れてみてくださいね。